【イベントレポート】ものづくりの祭典「FESTA」でクリエイター達の想いを聞いてきました
日本最大級のものづくりの祭典FESTA。
今回、友人がここに展示するということもあり、応援も兼ねて参加しました。そして出会ったクリエイターに「ものづくりにどのような想いを持っているか」という、新しい価値を生み出す上での秘訣を聞きに行きました。
FESTAについて
FESTA、つまりFESTA 2018 By Mashup Awardは、400名以上のクリエイターが参加し、優れたものづくりを競い合う開発コンテストです。クリエイターらはチームを結成し、アイデアや完成度、デザインなど様々な視点より評価されます。
クリエイターらは、360°を観客に囲まれたライブハウスのようなステージで発表しました。とても華やかですね。
また、ステージ外には様々なクリエイターがブース展示していました。クリエイターは大学、高専、大手企業、起業家など様々な人が参加しており、それぞれが苦心して作り上げた作品を会場に訪れた人に説明をしていました。
ここでは、全てのクリエイターの作品を紹介するのは難しいため、私が特に優れていると感じたチームのみ紹介します。
1.ヴィストン賞
①BLOOD ピッと
血液検査を注射針で通さずにできるセンサです。基板に取り付けられたセンサに指をかざし、スマホアプリの項目を選ぶだけで血糖値や血中酸素濃度、心拍数などが測れるスグレモノです。糖尿病の方の検査の負担を減らすために考えたものだそうです。注射針を何度も刺すと炎症になってしまいますから、これはとても良いですね。
しかも、これを製作したのは高専チームです。他の強豪をおさえてヴィストン賞を取ったというものですから、驚きです。
彼らにこれを製作した経緯を聞くと、以前、血液検査はアプリ開発のイベントで優勝したため、今年はハード開発にチャレンジしたとのことです。成功がさらに成功を呼んだ良い例ですね。
②Hoiku Cam
こちらは園児を観察し、保育園の教育プログラムの開発を支援するカメラアプリです。なんとカメラは自作で、「既存のデジカメだと音声が撮れない」からとのことです。この作品は、園児の行動の一部始終を観察し、その行動が何を示しており、教育者はどう接すべきかを理解する上で役立つようです。
保育園の声を吸い上げてそれを形にするとは、クリエイターは現場への問題意識が強かったのでしょうね。
2.一般展示
さて、ここからは一般展示の中で私が社会課題解決に役立つと感じた作品を紹介します。これらは全てが事業性があるとは言えませんが、従来の概念を覆す素晴らしい発想と言えます。
①わんちゃんカメラマン
この作品は、「犬視点で写真撮影をする」というコンセプトで考案されたものです。普段、飼い主の視点で見ている世界と異なり、犬視点でみると足元の様子がよくわかります。飼い主同士のコミュニケーション促進に良さそうです。
クリエイターの方に尋ねると、元々他のコンテストで優勝し、「ドックカフェ」を開店したオーナーと組み、カフェの顧客に聞きながらアイデア出しをしたそうです。こちらもBLOOD ピッとと同じく、「成功を通じて出来た作品」と言えるでしょう。
②Res-CUE
これは、インターネットの全国災害情報を機械で知らせるものです。真ん中の下側にあるポットが点滅することで、災害を知らせるようになっています。スマホでの災害通報では全体の3%しか対応しないという問題から、この作品の考案にいたったとのことです。
ただ、「災害」だけだと年に数回あるか、なので用途は限られそうです。私はスマートラジオやアロマポットと合わせた方が普及されるように思います。
③OTETECH(オテテック)
こちらは子供の指にQRコードをつけ、買い物をする際にスマホにかざすと、両親のスマホに「買いますか?」と購入判断を促すものです。子供が「はじめてのおつかい」をさせるのに役立つようです。
またこれだけでなく、子供がいる現在地を表示する機能もあるようです。子供の防犯を守るうえで役立つようです。少し煩雑のため、普及は難しそうですが、斬新な発想と言えそうです。
④busters
これは、カラス被害にあっている地域で役に立つかもしれません。カラスにレーザー照射して追い出すもののためです。実際、東京の練馬区ではカラス被害にあっており、追い出しのために色々苦労されているようですから、ニーズとしては高いといえそうですね。後は行政が本気で導入する気があるか、という問題がありますが‥
まとめ
以上、6作品を紹介しましたが、特に優れている作品の共通点としては、「顧客から聞く」「成功を生かす」ということが言えそうです。彼らははじめから上手くいくと思っていたわけではなく、やってみる中で「あれ?何かいけそうだぞ!」という思い込みを通じてやってきたからです。
言い換えると、最初から上手くいく人はいません。しかも、これらの作品でさえまだ途上ですから、これからまだまだ試行錯誤を通じていく必要があります。
読者の皆さんも、はじめから失敗を恐れることなく、試行錯誤しながらチャレンジしていってみてください。