≪生活習慣編≫ なったらどうする? 起業家のメンタル不調
・資金繰りどうしよう…
・あいつを辞めさせなければならない!
・誰にも相談できない…
起業家は常に悩みと格闘しています。
しかし、時にこれらから来るストレスは起業家自身を病ませることもあります。
もちろん、起業家は自己管理を常に行い、メンタル不調への予防をすることが必要です。
しかし一方で、「何が起こるのかわからない」のが起業です。「もしものため」の対策を知っておくことも重要です。
このため今回は、メンタル不調になってしまったときの対処法について議論したいと思います。
◆連続起業家も油断できないメンタル不調
2018年、中国の連続起業家 マオ・カンカンが自殺で亡くなった事は世界中に大きなショックをもたらしました。
彼は、長年うつ病を患っており、それが彼を死に追いやったとみる向きもあります。
しかし、起業家のメンタル不調は珍しいものではありません。
実際、スティーブ・ジョブスの強迫性障害、イーロンマスクの双極性障害など、有名起業家をはじめとする多くの起業家はメンタル不調を患っていると言われています。
その中で最も多いのはうつ病であり、メンタル不調全体の30%も占めています。
起業家は最高のパフォーマンスを維持せよ!「体調管理4つのコツ」で説明しましたが、起業家のメンタル不調は主に「最高責任者という立場」「ねばならない思考」「孤独感」が引き金となっています。
この結果、彼らはつい頑張りすぎ、限界を超える120%以上の追い込みによって、次第に体調を悪化していきます。
◆メンタル不調は生活リズムの乱れによって起こる
仕事への無茶な追い込みなど、強い身体的・精神的ストレスが日常的に起こり、慢性的に続くと自律神経が緊張したままになります。
すると、次第に睡眠、食事などの生活リズムの乱れが起きるようになります。しかも、通常であれば自然と落ち着いていくはずが、中々回復しません。
この結果、不安・だるさ・疲労感が起き、意欲や気力の低下が生じてきます。
実際、メンタル不調を感じている起業家の約30%が「気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じる」と述べるほどです。
その上、起業家自身は停滞し、「社会不適合者」の烙印を押して自分を責めるようになります。
これは、常に好奇心を持って事業を作り上げていくる起業家にとって、脅威となる問題であると言えます。
◆立ち直りを焦ってはならない
メンタル不調のときは、辛い事しかイメージできなくなるものです。このため、動けなくなった自分を責めると余計に悪化します。
例えば、うつ病は自動車で言う「ガソリンが切れた状態」です。
ガソリンが切れると自動車は動きません。
同じようにメンタル不調は「意欲」が枯渇した状態ですので、動くこともできなくなります。
しかし、仕事の手を止めてプレッシャーから解放されると、次第に楽しく働いていたころの記憶がよみがえるようになってきます。
YOUTURN代表取締役 中村氏は自身の双極性障害の経験から、メンタル不調になったときは「働きたい」という気持ちが自然に湧いてきたときに仕事に戻ることが大切と述べています。
動けずに何もできなくなった自分を責めるのではなく、つぼみから花が咲くようにゆっくりと回復を待つことが大事です。
それでは、どのように回復に向き合うべきか、次回≪対策編≫でご紹介します。