自分を変えたい!良い未来を作りたい!という人のための経営マインドの強化書

 

弱体化するアメリカ

アメリカと中国の"貿易戦争"が激化しています。

今年、トランプ大統領が自国の経済赤字解消のため、中国に衣料や食料品、アルミ製品などに関税をかけました。これに対抗して中国も果物への関税をかけるとしています。

 

しかし、思い返せばアメリカ政府は、同様のことを第二次大戦後より行っています。経済的脅威となる国家に圧力をかけ、自国の産業を守る「保護主義」を行っています。

 

1980年代には日本の自動車産業の急成長に伴い、アメリカは自動車の輸出規制をかけました。2000年代はハイテク産業に対する日本への規制を行っています。今回の中国への関税はその保護主義に則った形であるとも言えます。

 

ところが、この保護主義、目立った成果が出ていません。自動車の輸出規制をした結果、アメリカの自動車産業は強くなるどころか、かえって弱体化しました。ハイテク産業も同様です。ということは関税対象となっている「衣料や食料品、アルミ製品」も弱体化することは避けられないでしょう。

 

なぜ、このようなことになってしまうのか…

これは、日本の農業を考えてみると明らかです。日本の農業は、高度経済成長期に保護主義を取り続けてきました。この結果、産業競争力が失われ、農家の担い手がいなくなり、今では農業壊滅の危機に瀕しています。ということは今後、アメリカの関税対象の産業も同様になるということです。

 

同時に中国でも言えることです。

貿易戦争は結局ロクなことにはなりません。自国のプライドではなく、産業を育成に注力した方が結果的に自国のメリットになります。

アメリカに対抗して関税をかけると、中国は長期的に自分の首を絞めることになります。その結果、日本やEUが「漁夫の利」を得ることになります。

 

政治による保護主義が機能したのは19世紀までです。当時はグローバル経済というものは存在せず、各国の産業は閉鎖的でした。このため、ある産業が壊滅的ダメージを受けると国家の存続に関係するほど重要な影響力がありました。

 

しかし、今やグローバル経済です。ある国家が関税をかけたら、別の国家を経由すればいいことです。この結果、保護主義と関係ない国家が潤うことになります。

 

ところが、トランプ政権が存続している以上、"貿易戦争"の傾向は変わりません。彼は公約で宣言しているためです。今更撤回するとなると、政権存続が困難になります。

ということは、今後の将来に渡って日本の衣料品業界、農業などが改革すれば巻き返しが可能になるかもしれませんね。