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カルロスゴーン"皇帝"の失態

日産自動車 会長カルロスゴーン氏が逮捕されました。有価証券報告書に報酬を50億円少ない、虚偽記載をした疑いによるものです。しかも、ゴーン氏は資金を豪邸にも注ぎ込んでいるようです。

 

カルロスゴーン氏は、15年前「コストキラー」と呼ばれていました。日産がルノーと提携した1999年から2003年にかけてV字回復を成功させています。

 

ところが、近年に渡り排ガスデータ改ざん、無資格検査など不祥事が相次ぎました。背景には企業ガバナンスの緩みがあります。

 

事実、6月の株主総会で株主からのゴーン氏への謝罪要求にまともに取り合わず、都合のいい議事のみ執り行うなど、全く反省の姿勢を示しませんでした。

 

このように「皇帝」として君臨したゴーンに対し、今回は逮捕という末路です。

 

経営者は10年も君臨し続けると、どんなに優れた者でさえ、「劣化」すると言われています。就任時に正しかった前提が時代に合わなくなり、経営手腕の効果がなくなっていくためと言われています。

 

ゴーン氏も例外ではなかったのでしょう。

彼は既にトップに君臨して18年も経過しています。このため、緊張感が緩み不祥事まで手を出したのだと思います。

 

今後、恐らく日産は、ゴーン氏を更迭するでしょう。しかし、ゴーン氏はルノーの大株主である、フランス大統領と日産の独立性について抵抗出来た唯一の人物です。

 

このため日産は、ゴーン氏のような強いリーダーを失い、フランス政府が完全支配することとなってしまう可能性があります。フランス政府の支配とは、つまり「公社化」するということでもあります。

 

日本郵政を見てわかるように、公社化した企業はイノベーションの意欲を急速に失います。「安定」という立場が緊張感を奪うためです。これはゴーン氏そのものであれ、組織体であれ同じことです。

 

長期的に見ると、日産は大きな痛手を被ります。日産社長 西川氏は「ガバナンスの根本的な見直しをする」というようなことを述べていますが、今後はガバナンスに加えて、ルノーから日産が独立するよう進めていく必要があるでしょう。

 

はたして不祥事続きの日産が挽回することが出来るのか、経営者は非常に難しい舵取りが迫られているように思います。