10年生き残る企業とは?
1割しか生き残れない起業家
ここにショッキングなデータがあります。中小企業白書2006年度版によると起業してから10年生き残るのは、個人事業ベースで「たった11%」です。どうやら既に3年経過の時点で37%しか生き残っていないようです。
このデータは製造業のものではありますが、IT業が主流になった現在でも起業してから生き残っていくのは非常に難しいものと言えるでしょう。安定的な中小企業でこうですから、スタートアップは、なおさら困難であるとも言えます。
ところが、帝国バンクのデータを見ると別の状況が浮かび上がってきます。なんと70%の企業が生き残っています。しかも20年経過しても半数の企業が生き残っているようです。中小企業白書とは全く異なりますね。
なぜ、こんなに違いがあるのでしょうか?
一つには帝国データバンクに掲載される企業はある程度、資本規模が大きい企業に限られるためと思われます。先ほどの中小企業白書でも「全事業所ベース」で35%生き残っていますから、資本規模の大きさが企業の生き残りにも関係しているとも言えそうです。
しかし、いずれにせよ時間と共に倒産する可能性が高まるのは事実といえます。実は多くの企業が倒産する原因に「販売不振」があげられます。特に起業してから最も苦労するのは「集客」であり、いかに顧客を獲得できるかが最大のテーマになります。
というのも、起業する前にきちんと勉強をする人はほとんどいません。大多数が勢いで脱サラし、路頭に迷って困窮にいたるということが多いためです。
しかも、起業後うまくいかないのは当たり前であり、多くの人が事業転換を余儀なくされます。試しては改善、試しては改善を繰り返すことが大切です。ところが、起業のとき「勢い」だけでやる人はこの改善努力が続かないようです。失敗を繰り返すたびに自信を失っていくのが主な理由なのかもしれません。
失敗しても改善を続けるには?
失敗を繰り返しても、改善を続ける「意思」を持つにはどうしたらよいのでしょうか?
それには、既に成功した方から学ぶのも手でしょう。巷に「成功者から学ぶ」というセミナーが絶えないのもそういったことを学びたい人が一定数いるからとも言えます。
ただ、成功者はあくまで成功者。自分の状況とは全く異なります。このため、成功者の経験は参考程度にして、自分で工夫することが鍵であるとも言えます。
しかし、最も適切なアプローチは「ステップ思考」です。
起業を「清水の舞台から飛び降りるもの」とか「バンジージャンプ」と言うように捉えるのではなく、"小さな行動から"進めることを考えるのです。
例えば、起業の前にサラリーマンで副業をして経験する、とかブログでアクセス数を稼ぐとか、You Tubeに投稿するとか、プログラミングを教える講座を開くとか、リスクの少ない方法が色々とあります。
そうやって小さな成功体験をしてから、次のレベルに挑戦する、といったことを続けて行けばよいのです。
起業すると世の中の多くの人から「あんただれ?」というような扱いを受けます。時には「生きていく価値なんかないんだ」とも誤解してしまうほど打ちひしがれることもあります。そういうときこそ、小さな成功体験を大切にして行動していくことが大事です。