自分を変えたい!良い未来を作りたい!という人のための経営マインドの強化書

 

悩みを解決する「メタ認知トレーニング」

f:id:taka-yoshikazu:20181129214415j:plain

 

悩みの悪循環

「人前で緊張してうまく話せない」「いけない、相手の話してること聞いてなかった」ということにいつも悩まされることってありませんか?

そんな人は、自分の状態をわからないまま悩み、同じ失敗を繰り返しがちです。

 

私たちは「自分のことは自分がよくわかっている」と思いがちです。ところが、無意識から来る問題は、自分でもわからないことが多く、時に深い悩みにまで発展します。

しかし、ここで解決策を考えてしまうと、枝葉末節の問題に囚われ、次から次へとかえって問題が連鎖的に起きて悪循環を招きます。

 

例えば、先の問題では、「緊張するクセがあるから、今度から無理してでも他人と関わろう」とか「上の空になるから気を付けよう」といったことです。一見、対策しているように思われますが、これではうまくいきません。なぜでしょうか?

 

もしかすると、緊張の原因は「嫌われたらどうしよう」という恐れのためだったのかもしれません。これでは、無理して他人と関わると心理的に「疲れ」が出てしまいます。また、上の空の原因は「別の悩みを抱えていた」のかもしれません。それがもし、深刻なことならば、そちらを優先すべきでしょう。

 

メタ認知」による客観的な気づき

無意識から来る悩みは、見えない問題だけにやっかいなものでもあります。このため、悩みに気づくには、自分を他人の目線で観察する。といった活動が必要になってきます。

 

悩みを客観的に気づくには、「メタ認知」というアプローチを用いるのも手です。メタ認知は、悩みの問題が起きているときの自分を客観的に観察し、本質的な問題を浮かび上がらせる方法です。ノート、自撮り、音声記録を行いながら、「そのとき自分はどういう行動をしているか」観察する方法です。

 

メタ認知は、悩みの客観化のみならず「悩みの外部化」も可能にします。あたかも、事件の犯人を特定している刑事コロンボのように、「他人の目で」自分の問題を検証します。

普段、私たちは問題にあたったとき「枝葉末節な」ことばかり気にしがちです。しかし、悩みの原因はこのような視点では見つかりません。

 

なぜならば、悩みは大抵において「相矛盾することを両方成り立たせる」という問題を含んでいます。緊張の問題ならば、他人の「恐れの解消」と「繋がりたい」という反対方向の要素が含まれています。互いに排斥する問題を心理的に持っているのですから、辛くなるのは当たり前ですね。

メタ認知は、このような悩みを「外側から」見ることを可能にします。

 

メタ認知は筋肉と同じく「トレーニング」が大事

メタ認知は、巷で流行っている"ロジカルシンキング"とは全くことなる手法です。「問題の分解」ではなく、「問題の統合」を目指します。相矛盾する"A"と"B"の問題の上位にある「抽象的な問題C」に気づき、AとBの問題の統合を図るものです。

 

しかし、それをできるようになるには毎日のトレーニングが必要になってきます。毎日観察と思考を繰り返して、問題の勘所に気づくことで、はじめて身に付く力でもあります。まずはテレビを消し、自分自身に意識を向けることからはじめましょう。

 

メタ認知は経営にも利用できる

メンタルのみならず、メタ認知は経営にも応用できます。企業が赤字を出し、リストラ必須という危機的な状況のとき、経営者が守るべきは「人」か「利益」かという、トレードオフを孕んだ究極の判断が必要になります。

経営者は従業員をクビにして利益を出すのは、「ある意味」簡単です。しかし、そのようなことをすれば従業員が路頭に迷ってしまいます。このような相矛盾した問題を同時に満たそうとするためにより一層悩みが深まることになります。

 

私たちは、普段「悩み」というものを曖昧に扱ってしまいがちです。悩みが軽いうちであれば、そのような方法でも平気です。しかし、深刻になれば扱いに困り、メンタルまでも病んでしまいます。

メタ認知で悩みのメカニズムを知り、適切な対処を心がけるようにしたいものです。