新しい未来! 人工知能の「共感のマネジメント」
自動化技術とIT革命による社会変化
18世紀後半の産業革命によって生まれた自動化の技術は、私たちの仕事を変えました。生産のスピードと正確性があらゆるモノを世界中に大量に普及させました。この結果、私たちはあらゆるモノを等しく享受することができるようになりました。
そして1995年に起きたIT革命では、私たちをあらゆる人とつなげました。世界中の人の繋がりが20世紀以前において、生産コストを大幅に下げ、あらゆるの価値の差がなくなりました。
今日ではあらゆるモノの価値には、差がつかなくなっています。その上、大量生産の手段であった技術による「スピード」と「正確性」は、世界中のコンピューターが人間以上に持つようになり、付加価値とすることができなくなりました。
しかも、新しく生まれた「ソーシャルネットワーク」が私たちの価値観を一変させました。今や私たちはいかに他者と関わり、共感を得ることかが新しい現実となっています。
そして付加価値を作り上げることにおいて、決定的に重要となりました。
共感のマネジメントの必要性
この現実は、今日、私たちに新たな課題をもたらすようになりました。特にホワイトカラー、つまり開発、事務、人事などの生産性向上が極めて重要な課題となりました。このため、顧客との関係強化、新事業の開発などを実現することが大きな課題となっています。
しかし、これを実現するには、仕事において、一人ひとりの人間的能力を最大限発揮ようにしなければなりません。
周囲にある課題に焦点を当て、他者と共に自ら学び続け、同時に世界中のあらゆる者とのネットワークにより、新たな世界観を作り上げることが重要です。
このためには、人との関係に意識を向け、内面の価値観を積極的に他者と共有するようにしていかなくてはなりません。
つまり、「情緒」と言う、共感のマネジメントが不可欠です。
人工知能が解決となるか?
共感のマネジメントには、一人ひとりが「仕事の失敗を許容」し、失敗を怖れず「思い切ってやる」環境作りが不可欠です。
ところが、これらの課題は人の心理という、捉えどころがなく、結果が見えない領域だけに、これまで、あらゆる企業で積極的に活用されてきませんでした。このため、今のホワイトカラーは20世紀の生産手段である「スピード」と「正確性」の環境から未だに変えられないでいます。
一方で人間の思考や行動には「ある種のクセ」があります。このため、それぞれの人にしっかりと向き合い、思考や行動のクセに適したサポートが必要です。
しかし、優れたパターン認識能力を持ち、適切な対処ができるはずの「人工知能」は、自動運転車などで活躍されることが期待されているものの、仕事においては活用の可能性がほとんど見えていません。
将来、私たちから仕事を奪う可能性があると怖れられていることが要因の一つでしょう。
人工知能のパターン認識能力は、従来のマネジメントが不可能だった、「一人ひとりへのサポート」を可能にします。
この結果、仕事をする人の集中力が高まり、顧客との関係や事業力強化に繋げることが可能になるでしょう。
私たちは人工知能という脅威に怖れるのではなく、新しい機会に向き合い、活用していくことが必要です。それが私たちの未来をより良いものにする手段となるはずです。