自分を変えたい!良い未来を作りたい!という人のための経営マインドの強化書

 

誰でもできる! ビジネスアイデアの見つけかた

「ビジネスアイデアって、どう考えれば良いんだろう…」

はじめてアイデアを考える起業家志望者の多くは、いつもこの問いに悩まされます。しかし、実はビジネスアイデアを考えるのは難しくありません。今回は、「誰でもできるビジネスアイデア」の発想法についてご紹介します。

 

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事業者と顧客の食い違いを見つけよ

起業家は、既存の産業の「間違った努力」による認識ギャップをいち早く見つけることで事業の機会とすることができます。

ピーター・F・ドラッカーによると「事業の成果は間違った努力を正すことで可能になる」としています。しかし、これは起業家にとって適切ではありません。事業アイデアを持っていない起業家は、顧客の特定はほとんどできません。

このため、起業家は既存事業者のサービスと顧客の要望の食い違いを見つけらざるを得ない立場にあるのです。

 

例えば、「新しくカフェ産業に参入したい、でもアイデアがない」という起業家は、まずはスターバックスの様な「既存のカフェ」を観察すると良いでしょう。

 

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スターバックスの店内を観察すると、資格の勉強、大学のレポート作成、パソコンで資料作成をする人などがいます。多くの人は、スターバックスを図書館の代わりにしています。その上、店内にはコーヒー豆も販売されており、時折コーヒー豆のみ求めて来る人もいます。自宅でおいしくコーヒーを作るためです。

 

実はこれらの人、つまり顧客にとっては「落ち着ける空間」が重要であり、飲み物は引き立て役でしかありません。顧客には日々の喧騒とした空間を離れて、落ち着いた場所で集中して作業することが大事だからです。

これに対し、店員と話をすると驚くべきことがわかってきます。彼らは「顧客が高品質の飲み物をほしがっている」と本気で思っているのです。

 

このようにみると、彼らが行う「間違った努力」を発見できます。多くの顧客にとってはメニューを詰めることが正しくても、一方でコーヒー豆の購入客からすると、必要なものはメニューではなく「コーヒーの情報」です。

 

「認識ギャップ」がビジネスアイデアのヒント

スターバックスの豆の販売コーナーには、コーヒー情報が置いていません。そのため、顧客は豆の選び方やおいしい作り方がわからず、困ってしまいます。購入客からすると、豆の選択知識だけでなく、自宅で友人と話をするときのネタとして、コーヒーの「ウンチク」も必要になるはずです。

 

ということは、「コーヒー豆の情報を手軽に手に入れ、学べるサービスがあるべき」と考えることができるはずです。新しいビジネスの発想としてはこのようなアプローチが有用となります。

 

このように、既存産業で成果が上がっていないことを「認識ギャップ」として捉えなおすことで、起業家のビジネスアイデアとすることができるのです。

 

 

「切実な課題」と「不完全な解決」の発見が鍵

しかし、認識ギャップは単に眺めても現れてくることはありません。

潜在顧客への積極的な観察から「切実な課題」を見分けることが必要です。なぜなら、顧客は何より彼ら自身の課題を解決することが重要であり、事業者の提供価値はその道具でしかないためです。

 

言い換えると今、潜在顧客が利用している「手段」が彼らの課題をどれだけ解決しているかが、新しいビジネスの参入余地を決めると言っても過言ではありません。

 

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それでは、どのようにして潜在顧客の切実な課題を見つければよいでしょうか。それには、次の様な「問い」によって、潜在顧客の利用している手段が「不完全な解決であるか」を見つけることが近道です。

 

① 課題が放置されているか。もしその場合、彼らの「今の手段」で課題の解決を図ろうとしているか

② 彼らの「今の手段」がどの程度課題を解決できているか

③ もし課題を応急処置的に解決していたならば、彼らは非常に不満やストレスを感じているか

 

私たちは、何らかの手段で問題が解決されない限り、不満やストレスを感じつつも無意識に「我慢」する傾向があります。とりわけ、課題が切実であるほど「今利用している手段を代替したい」と思う傾向が強くなります。

起業家はそこを攻め、問題解決としてより良い手段を潜在顧客に提供することで、新たな事業への参入の実現を可能にすることができます。しかし、もし仮に潜在顧客の課題が既に完全に解決されている場合、事業の参入余地は少なくなり、厳しい戦いを強いられることになるでしょう。

 

従って、顧客ニーズは「困っている相手の問題を解決してあげること」に意識すれば、おのずから現れてくるものです。

つまり、相手の問題解決のために「聞く」ことを行えば、新しい事業の成功確率を上げることが可能になるのです。

 

【参考資料】

スタートアップの定義と「顧客開発モデル」の4ステップ

https://enterprisezine.jp/bizgene/detail/4153